
清掃の見積書の作り方|単価設定・項目テンプレート・失注しない出し方【2026年版】
清掃の見積書とは、清掃作業の範囲・頻度・単価・合計金額を提示し、受注の可否と条件を顧客と合意するための書類です。単価の根拠と作業範囲の明確さが、受注率と利益率の両方を左右します。
清掃・ビルメンテナンスの受注は、見積書の出し方で結果が大きく変わります。同じ作業内容でも、項目の見せ方や単価の根拠の示し方によって「高い」と感じさせてしまったり、逆に安く請けすぎて利益が残らなかったりします。一方で、清掃料金の相場を解説する記事は多くても、「自社が見積書をどう組み立て、どう出すか」という受注側の実務に踏み込んだ情報は多くありません。
本記事は、従業員5〜30名規模の清掃・ビルメン会社で、見積作成を経営者や営業担当が属人的に行っている会社向けに、見積項目の標準テンプレート・原価から逆算する単価の決め方・失注を防ぐ出し方を解説します。料金相場そのものを知りたい場合はビル清掃の料金相場を先にご覧ください。

清掃見積書に必要な項目を標準化する
見積書を毎回ゼロから作っていると、項目の抜け漏れや表現のバラつきが生まれます。まずは標準テンプレートを決めて、物件ごとに数値を差し替えるだけの状態にするのが第一歩です。
見積書の標準項目 早見表
| 区分 | 記載項目 | 記載のポイント |
|---|---|---|
| 基本情報 | 宛名・件名・物件名・有効期限 | 物件名を明記し他物件との混同を防ぐ |
| 作業内容 | 清掃種別・作業範囲・頻度 | 「どこを・どのくらいの頻度で」を具体的に |
| 単価明細 | 項目別単価・数量・小計 | 日常清掃と定期清掃を分けて記載 |
| 諸経費 | 消耗品費・交通費・管理費 | 含む/含まないを明示 |
| 金額 | 小計・消費税・合計 | 税抜・税込を明確に |
| 条件 | 契約期間・支払条件・特記事項 | スポット対応の扱いを明記 |
このテンプレートに沿って作れば、誰が作っても同じ品質の見積書になります。
作業範囲を曖昧にしない
トラブルの多くは「どこまでが見積に含まれるか」の認識のズレから起きます。「日常清掃一式」とだけ書くのではなく、対象エリア(共用部・トイレ・エントランス等)・作業頻度・含まれない作業(窓ガラス・ワックス等のスポット)を分けて書くことで、後の追加請求の交渉もしやすくなります。
日常清掃と定期清掃を分けて記載する
清掃契約は、毎日・週数回の日常清掃と、月次・四半期の定期清掃(床のワックス、ガラス清掃など)が組み合わさります。これを1行でまとめると顧客が単価の妥当性を判断できません。種別ごとに行を分けることで、見積の透明性が上がり、値引き交渉のときも「どの作業を削るか」の議論に持ち込めます。
単価の決め方|原価から逆算する

見積単価を「なんとなくの相場感」で決めていると、利益が残らない契約や、逆に高すぎて失注する見積になりがちです。単価は原価から逆算して根拠を持たせます。
原価の構成要素を把握する
清掃業務の原価は、主に以下で構成されます。
- 人件費(作業時間 × 時間単価)
- 消耗品費(洗剤・ペーパー・ゴミ袋など)
- 交通費・駐車場代
- 機材の償却費(ポリッシャー等)
このうち最も大きいのは人件費です。1回の作業に何人で何時間かかるかを正確に見積もることが、単価設定の出発点になります。
単価の計算式
見積単価は、原価に必要な利益率を上乗せして算出します。
見積単価 = 1回あたり原価 ÷ (1 − 目標利益率)
例えば1回あたりの原価が把握できていれば、目標利益率を逆算式に当てはめることで、利益を確保できる最低ラインの単価が見えます。相場と比べて高すぎる場合は、作業頻度や範囲を調整して原価そのものを下げる検討に入ります。
どんぶり勘定をやめる
物件ごとの原価を把握していないと、「全体では黒字だが、実は赤字の物件が混ざっている」状態に気づけません。見積を作る段階で物件ごとの原価を出す習慣をつけることが、利益率の改善につながります。物件別の採算管理は経営の重要テーマです。
失注しやすい見積の特徴

見積の出し方には、受注率を下げてしまう典型的なパターンがあります。心当たりがないか確認してください。
金額だけで作業内容が見えない
合計金額だけが大きく書かれ、何にいくらかかっているかが分からない見積は、顧客が社内で稟議を通せません。決裁者に説明できる明細になっているかが重要です。
競合との違いが伝わらない
相見積もりが前提のビルメン受注では、金額が同程度なら「何が違うのか」で選ばれます。報告体制・緊急対応・品質管理の仕組みといった自社の強みを、見積書の特記事項や添付資料で伝える工夫が有効です。
提出が遅い
見積依頼から提出までのスピードは、それ自体が評価対象です。テンプレートと原価データが整っていれば、依頼の当日〜翌日に提出できます。提出の速さは「対応の速い会社」という印象につながり、受注率に直結します。
見積から請求まで様式がバラバラ
見積で提示した項目と、実際の請求書の項目が一致していないと、顧客は確認に手間取ります。見積・契約・請求を同じ項目体系でつなぐことで、顧客の事務負担を下げ、信頼を得られます。
見積から請求までを一気通貫にする
見積書は単体で完結する書類ではなく、受注後の契約・請求につながる起点です。ここが分断されていると、せっかく整えた見積項目を請求のたびに作り直すことになります。

見積→契約→請求のデータをつなぐ
見積で確定した単価・作業範囲・頻度を契約情報としてそのまま引き継ぎ、毎月の請求に自動反映できれば、転記の手間と項目の食い違いがなくなります。見積を作った時点で、その後の請求業務まで楽になる設計が理想です。

ビルメンHUBは、見積・契約・作業報告・請求を同じ仕組みの上でつなぐクラウドツールです。見積で決めた項目を契約に引き継ぎ、毎月の請求書まで一貫した項目体系で作成できるため、見積から請求までの作り直しがなくなります。
よくある質問
清掃の見積書はどんな項目を入れればいいですか
基本情報(宛名・物件名・有効期限)、作業内容(清掃種別・範囲・頻度)、単価明細(項目別単価・数量・小計)、諸経費、金額(小計・消費税・合計)、契約条件が基本構成です。特に作業範囲と頻度を具体的に書くことで、後の追加請求の交渉がしやすくなります。
清掃の見積単価はどうやって決めればいいですか
原価から逆算するのが基本です。1回あたりの人件費・消耗品費・交通費などの原価を把握し、目標利益率を確保できる単価を「原価 ÷(1 − 目標利益率)」で算出します。相場と比べて高すぎる場合は作業頻度や範囲を調整して原価を下げます。
相見積もりで失注しないためのポイントは何ですか
金額だけでなく作業内容の明細を明確にし、決裁者が社内で説明できる見積にすることが重要です。また報告体制や品質管理の仕組みといった自社の強みを特記事項で伝え、提出スピードを上げることも受注率に直結します。
見積書をすぐ作れるようにするにはどうすればいいですか
標準テンプレートを決めて項目を固定し、物件ごとに数値を差し替えるだけの状態にします。さらに物件ごとの原価データを蓄積しておけば、依頼の当日〜翌日に根拠のある見積を提出できます。
見積書と請求書の項目を揃えるメリットはありますか
見積で提示した項目と請求書の項目が一致していると、顧客は内容を確認しやすく、社内処理もスムーズです。見積・契約・請求を同じ項目体系でつなぐと、請求のたびに作り直す手間がなくなり、転記ミスも防げます。
まとめ|見積は「根拠」と「スピード」で差がつく
清掃の見積書は、標準テンプレートで項目を固定し、原価から逆算した単価で根拠を持たせ、決裁者が社内で通しやすい明細にすることで受注率が上がります。さらに見積・契約・請求を同じ項目体系でつなげば、受注後の請求業務まで一貫して楽になります。
確定した見積項目をそのまま請求につなぐ方法は清掃業の請求書テンプレート完全ガイドで解説しています。
見積から請求まで、項目はそのまま。
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