
清掃提案書の作り方|コンペで伝わる章立てと記載項目【2026年版】
清掃提案書は、現地調査の所見を、区域・作業方式・頻度・要員・品質保証・報告・価格根拠へ一貫して変換すると、見積書だけでは伝わらない実行力を示せます。
発注仕様を言い換えただけの提案では、なぜその方式・体制・時間帯なのかが伝わりません。まず現地で確認した事実と発注者の課題を分け、各課題を作業計画、要員、安全、品質、報告、見積明細へつなぎます。提出後に契約や現場へ引き継げるよう、提案版、承認者、前提条件、除外事項も管理します。
清掃提案書は、発注者の課題に対し、受託会社がどの区域を、どの方法・体制・品質管理で実施し、どう報告するかを示す提案成果物です。
この記事では、清掃コンペで使える8領域の章立てと、現地所見から価格根拠までを一貫させる作り方を解説します。
清掃提案書の推奨章立て早見表

見積書との役割を分ける
見積書は、作業名、数量、単価・金額、条件を提示する成果物です。提案書は、現地で見つけた課題に対し、どの区域を、どの方式・頻度・要員で実施し、品質をどう確認して報告するかを説明します。二つを同じ内容の繰返しにせず、提案書の作業IDと見積明細を対応させます。
提案書に金額を置く場合も、人工、機材、作業窓、報告などの前提が見積書と一致しているか確認します。「高品質」「徹底」など根拠のない形容だけでなく、確認方法、責任者、報告項目を示します。価格表だけでは伝わらない範囲と分界を提案書で補います。
評価項目と章を対応させる
推奨する8領域は、課題、現地所見、区域・仕様、要員、安全・品質、報告、価格、添付です。発注者の選定要領や評価項目がある場合は、その順と指定様式を優先します。章ごとに評価項目、根拠資料、担当者を割り当て、同じ説明を複数章へ散らしません。
| 提案領域 | 主な目的 | 根拠資料 | 避ける表現 |
|---|---|---|---|
| 課題・現地所見 | 現状と優先度を共有 | 写真・聞取り・図面 | 未確認の断定 |
| 区域・仕様 | 作業範囲と方式を示す | 区域図・仕様対応表 | 「一式」のみ |
| 要員・時間帯 | 実施体制を示す | 工程・体制図 | 人数根拠なし |
| 安全・品質 | 確認と是正を示す | 点検・品質基準 | 「万全」のみ |
| 報告 | 完了と異常を伝える | 報告項目・例 | 写真だけ |
| 価格・添付 | 見積根拠を結ぶ | 見積明細・資格等 | 誇張した効果 |
この章立ては提案要素を整理した編集上のフレームであり、成約率や顧客事例を示すものではありません。
現地調査を提案課題へ変換する

現地調査の所見を課題へ変換する
現地調査では、区域、床材、汚染、利用者動線、作業可能時間、鍵・入館、保管、給排水、電源、既存品質、緊急時の連絡を確認します。観察事実と発注者の要望を分け、「昼に来館者が集中する」「床に砂が持ち込まれる」といった事実から、作業窓や方式の課題へ変換します。
清掃会社の新規開拓・営業で聞き取る決裁者・選定条件も、提案の優先順位に反映します。ただし、担当者の推測を発注者の正式要件として書きません。未確認事項は質問票にし、回答日、回答者、提案への反映箇所を残します。
写真・図面・聞取りを根拠にする
写真は全景、対象区域、汚染、動線、設備の順に撮り、撮影日と位置を付けます。図面には区域IDと責任分界を示し、現地との差異があれば発注者へ確認します。聞取り内容は発言者と日時を残し、仕様書の記載と矛盾する場合は提案前に質問します。
「発注課題×提案章×現地証拠×実施データ×添付資料」のマップを作ると、主張と根拠がつながります。創作した顧客事例や削減率を足さず、自社が実施できる方法、体制、報告を具体化します。確認できない施工面積や頻度は仮定と明示し、見積条件へ置きます。
現地所見を取引先・物件・見積へ引き継ぐなら、ビルメンHUBの機能で物件マスタ、見積、写真付き作業報告の流れを確認できます。
作業計画と要員を組み立てる

区域・方式・頻度を設計する
区域ごとに汚染、材質、利用時間、求める状態を確認し、日常、巡回、定期、スポットへ分けます。方式と頻度は慣例で決めず、発注仕様、現地状態、作業可能時間、メーカー情報に基づきます。提案する作業と対象外作業を同じ区域図へ示すと、契約後の範囲差を抑えられます。
作業計画には区域ID、作業名、方式、頻度、作業窓、品質確認、報告を置きます。代替案がある場合は、適用条件、施設への影響、必要な準備を比較します。発注者が選べるように見せるためだけの実行不可能な案は置きません。
要員・時間帯・安全を置く
要員は作業量、工程、機材、搬入、移動、責任者、必要技能から積み上げます。単に「十分な人員」とせず、どの時間帯に、どの区域を、どの役割で担当するかを体制図へ置きます。欠員時の連絡、代替要員、責任者不在時の対応も示します。
営業中、閉店後、休館日では、来館者動線、騒音、水、薬剤、立入制限が異なります。安全計画と作業窓を対応させ、顧客・テナント・警備との連絡を明確にします。資格・教育を示す場合は、実際に配置可能な人員と有効な記録に基づきます。
品質保証・報告・価格をつなぐ

要員・品質・報告を根拠化する
品質保証は、目標状態、確認者、確認時点、不備時の連絡・再作業を定めます。数値基準が発注仕様にない場合は、写真、チェック項目、立会いなど、合意できる確認方法を提案します。「必ず満足」といった保証ではなく、判定と是正の工程を示します。
報告は実施日、区域、作業、担当、結果、写真、異常、対応、追加作業候補を基本にします。発注者が確認・承認する項目と、受託会社内部の人工・資材を分けます。報告内容を見積の検収条件とつなげ、承認後に何を請求するかを明確にします。
価格と添付資料を整合させる
清掃の相見積もりで選ばれる方法も参照し、見積明細を区域・作業・頻度・人工・機材へ対応させます。定額、定期、変動、スポットを分け、繁忙期増員や緊急汚損が基本料金に含まれるかを示します。未確定範囲は追加作業の承認手順へ置きます。
添付資料には工程、体制、区域図、作業仕様、報告例、必要な資格・会社情報を選びます。本文の版と添付の版を合わせ、別案件の物件名や古い価格を残しません。管理方法を比較したい場合は、ビルメンHUBと従来管理の比較も確認できます。
提出後と受注後の引継ぎを設計する

版・承認・提出物を確認する
提案書には案件名、版、作成日、作成者、承認者、提出先を付けます。修正依頼は内容、受領日、回答、反映版を残し、メール添付と共有先の版を一致させます。締切直前の変更でも、見積書、区域図、工程表との整合を確認します。
提出物一覧を作り、提案書、見積書、指定様式、添付資料、提出方法、期限、受領確認を管理します。公共案件では募集要領・評価項目・指定様式を優先します。独自の章立てを指定書類の代わりにしません。
提案内容を契約・物件へ引き継ぐ
受注後は、採用された提案版、発注者の回答、見積条件を契約書・仕様書へ反映します。提案にしかない約束を残さず、作業区域、頻度、要員、報告、除外、追加承認を契約と現場手順へ移します。失注時も、返却・削除条件と社内の振返り範囲を確認します。
ビルメンHUBでは、取引先、物件、見積、作業報告、請求を案件から引き継げます。提案内容が契約後に別の表記へ分散しないよう、物件IDと作業IDをそろえ、実績と見積の前提差を次回更新へ返します。
よくある質問
清掃提案書と見積書は何が違いますか?
見積書は作業と金額の提示が中心です。提案書は、現地課題、区域、方式、要員、品質、報告、価格根拠をつなぎ、実施後の姿まで説明します。
提案書は何ページにすべきですか?
一律のページ数は設けません。選定要領の指定を優先し、評価項目ごとに必要な根拠を過不足なく置きます。
公共案件も同じ構成でよいですか?
基本構造は使えますが、自治体の募集要領・評価項目・指定様式を優先します。参加資格や申請手続きは清掃入札の実務で確認します。
提案書のひな形を入手できますか?
専用配布はありません。本文の章立て表、記載項目、記入例を自社の提案書へ転記できる形で提示します。
まとめ|現地所見から見積・契約まで一貫させる
清掃提案書は、課題、現地所見、区域・仕様、要員、安全・品質、報告、価格、添付の8領域で組み立てます。観察事実を根拠に作業計画へ変換し、見積明細と一致させます。版と承認を管理し、採用内容を契約、物件、作業報告へ引き継いでください。
提案の前提を、受注後の物件・見積・報告・請求までつなぎませんか。ビルメンHUBは、営業から現場運用までを物件軸で管理します。


