
空気環境測定の頻度と基準|受託側の記録・是正実務【2026年版】
特定建築物の空気環境測定は2月以内ごとに1回行い、受託会社は測定条件・結果・基準外時の対応を物件単位で記録することが実務の要点です。
「年6回」とだけ予定すると、前回実施日から2月を超える空白が生じることがあります。対象設備、各階の測定点、通常の使用時間、使用する測定器を先に確認し、前回日を起点に期限を置きます。結果は数値だけでなく、場所、時刻、設備の運転状況、建物側への報告、是正後の再確認までつなげて残します。
空気環境測定は、特定建築物の居室で温度・湿度・気流・一酸化炭素・二酸化炭素・浮遊粉じん等が管理基準に適合するかを定期確認する業務です。(建築物衛生法施行令第2条、建築物衛生法施行規則第3条の2)
ここでは、全国法令の頻度・位置・基準と、自治体の指導や契約条件を分け、受託会社が年間段取りと結果報告へ落とす方法を整理します。
頻度・位置・義務主体の早見表

2月以内ごとに1回を期限管理する
建築物衛生法施行規則第3条の2第3号は、空気環境の対象項目を2月以内ごとに1回、定期に測定するよう定めています。単純に偶数月へ置くのではなく、物件ごとの前回実施日、次回期限、候補日、再予定日を管理します。空気調和設備と機械換気設備では対象項目が異なるため、設備区分も先に確認します。
管理基準へ従う義務の主体は、建築物衛生法第4条が定める特定建築物の維持管理について権原を有する者です。受託会社は契約範囲に基づいて測定し、条件と結果を記録して建物側へ渡します。測定予定を契約外の設備調整や改修判断まで含むものにしません。
| 管理項目 | 全国法令の基準 | 計画表の記録 | 主な確認者 |
|---|---|---|---|
| 頻度 | 2月以内ごとに1回 | 前回日・期限・候補日 | 建物側・受託側 |
| 位置 | 各階、居室中央、床上75〜150cm | 階・室・測定点 | 建物側と測定担当 |
| 時間 | 通常の使用時間中 | 開始・終了・利用状況 | 測定担当 |
| 義務主体 | 維持管理権原者 | 契約上の役割 | 建物側責任者 |
各階・居室中央・床上75〜150cmで測る
同条第1号は、通常の使用時間中に、各階ごと、居室の中央部、床上75cm以上150cm以下の位置で測ることを定めています。測定器も項目別に示されているため、機器名、管理番号、校正等の確認情報を記録します。間仕切り、用途、空調系統が変わった場合は、前年の測定点を機械的に流用せず建物側と再確認します。
規則上の位置は最低限の共通条件です。実際の点数や代表点は、建物の階構成、居室の利用、設備系統、所轄の指導を踏まえて決めます。測定点IDを平面図と対応させ、誰が測っても同じ場所を特定できるようにします。
測定項目と現行管理基準

空気環境の主要項目を確認する
建築物衛生法施行令第2条第1号イの現行基準は次表のとおりです。温度には、居室温度を外気より低くする場合、その差を著しくしないという条件もあります。
規則第3条の2第2号により、浮遊粉じん、一酸化炭素、二酸化炭素は1日の使用時間中の平均値を基準と比較します。単発の表示値だけを転記せず、測定時刻と平均値の算定に使った結果を残します。古い資料にある一酸化炭素10ppmや温度17℃を現行値として使わないよう、基準表の版を確認します。
| 項目 | 現行管理基準(施行令第2条) | 記録する条件 |
|---|---|---|
| 相対湿度 | 40〜70% | 時刻・場所 |
| 浮遊粉じん | 0.15mg/m³以下 | 測定時刻・平均値 |
| 一酸化炭素 | 6ppm以下 | 測定時刻・平均値 |
| 二酸化炭素 | 1,000ppm以下 | 測定時刻・平均値 |
| 温度 | 18〜28℃ | 外気温・設備状況 |
| 気流 | 0.5m/s以下 | 向き・測定点 |
| ホルムアルデヒド | 0.1mg/m³以下 | 建築等・測定期間 |
ホルムアルデヒドの測定条件を分ける
ホルムアルデヒドは、通常の2月以内ごとの項目と同じ扱いにしません。規則第3条の2第4号は、建築、大規模修繕または大規模模様替を行った階層の居室について、使用開始後、最初に到来する6月1日から9月30日までの期間中に1回測定するよう定めています。
計画表には、建築等の対象階、完了日、使用開始日、最初の測定期間、実施日を別欄で持たせます。改修情報が測定担当へ届かないと計画から漏れるため、建物側の工事担当と連絡経路を決めます。該当しない通常回へホルムアルデヒドを一律追加するのではなく、条件を確認して判断します。
受託前に年間段取りを組む

対象物件と前回測定日を確定する
受託前に、特定建築物の該当状況、維持管理権原者、設備区分、前回測定日、過去の結果、所轄の指導、契約範囲を確認します。前回日が不明なら推定日を期限の起点にせず、建物側の帳簿や成績書を照合します。契約開始前の不足があれば、責任分界と最初の実施日を合意します。
清掃の年間計画表へ各回の期限を置き、休館日、通常使用時間、測定担当の稼働を重ねます。候補日は期限ぎりぎりにせず、設備故障や入館不可に備える再予定の余裕を設けます。予定日、実施日、延期理由、再予定日は上書きせず分けて残します。
階・居室・測定点を計画する
建物の平面図と設備系統図を使い、階、居室、測定点ID、床上高さ、測定順、通常使用時間を一覧にします。点数を前年踏襲する場合も、間仕切り変更、空調系統変更、用途変更がないか確認します。立入制限や鍵、利用者への案内、機器搬入も作業窓へ含めます。
年間段取りは「物件×測定回×階・測定点×項目×判定×是正履歴」のマトリクスで管理します。これは法令要件と現場運用をつなぐ編集上の整理であり、行政の統一様式や測定結果の統計ではありません。未使用欄を削るより、対象外理由を残す方が後日の説明に役立ちます。
結果記録と基準外時の対応

測定条件と結果を記録する
記録には物件、実施日、通常使用時間、階・居室、測定点、床上高さ、項目別結果、平均値、外気、設備の運転状況、測定器、担当者を含めます。結果だけの表では、どの条件で測った値かを再現できません。写真や平面図上の点番号も結び付け、建物側の帳簿へ渡した日と受領者を残します。
空気環境の測定結果は、施行規則第20条第1項第1号の帳簿書類へつながり、同条第2項の5年保存対象です。特定建築物の立入検査に備える帳簿整理と同じ物件名・対象期間を使い、作業報告、測定表、是正記録を検索できる索引にします。
基準外を報告・是正履歴へつなぐ
基準外や通常と異なる傾向を確認したら、値を修正せず、測定条件、対象点、機器状態を確認して建物側へ報告します。受託会社だけで原因や設備改修を確定せず、建物側と暫定対応、設備確認、再測定、所轄相談の要否を決めます。利用者への影響が疑われる場合の連絡経路も事前に置きます。
是正履歴には発見日時、報告先、指示、対応者、対応内容、再確認日、結果、完了承認を残します。地域独自の報告様式や新築時の指導がある場合は、全国法令の欄と自治体指導の欄を分けます。東京都など一地域の運用を全国共通の頻度として転記しません。
測定予定、点番号、結果報告を物件別に整理するなら、ビルメンHUBの機能で物件マスタと写真付き作業報告の流れを確認できます。
ビルメンHUBで物件別履歴を残す

物件マスタへ予定と測定点を置く
ビルメンHUBでは、取引先・物件を軸に予定、担当、入館情報、測定点の参照情報を整理できます。確認済みの前回日と期限を物件ごとに持ち、確定した測定日をシフトへつなげれば、似た物件名や別棟の取り違えを抑えられます。法定対象や測定点を自動判定する機能としては扱いません。
担当者は建物側と確認した設備区分、点番号、通常使用時間を参照し、変更があれば履歴を更新します。物件単位で予定と実績を照合することで、期限超過、未報告、再確認待ちを分けて追えます。
作業報告・PDFで建物側へ渡す
測定後は、物件と作業へ結果、現場状況、異常、対応を登録し、PDFの作業報告として建物側へ渡せます。測定器そのものや測定資格を提供する機能ではなく、実施した業務の証跡を整理する用途です。正式な測定表や外部成績書は管理番号で結び付けます。
結果を次回予定へ返し、基準外時は是正と再確認が完了するまで状態を閉じません。ビルメンHUBなら、物件を軸に予定、担当、作業報告、PDFを結び、各回の履歴を追跡できます。
よくある質問
空気環境測定の頻度は年6回ですか?
建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則第3条の2第3号の表現は「2月以内ごとに1回」です。年間回数へ置き換えるだけでなく、前回実施日から2月を超えない予定管理にします。(建築物衛生法施行規則第3条の2第3号)
どこで測定しますか?
建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則第3条の2第1号は、各階ごとに居室の中央部で、床上75cm以上150cm以下の位置を定めています。物件の間仕切りや空調系統を踏まえた測定点は建物側と確認します。(建築物衛生法施行規則第3条の2第1号)
基準外なら受託会社だけで是正判断しますか?
受託会社は結果と現場事実を建物側へ報告し、原因確認・対応・再確認を合意します。建物設備の改修判断まで自社だけで確定しません。
新築後は毎月測定が全国ルールですか?
いいえ。建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則第3条の2第3号の全国ルールは2月以内ごとです。東京都ページの新築初年度毎月は地域指導であり、全国一律の法定頻度として扱いません。(建築物衛生法施行規則第3条の2第3号)
まとめ|前回日から期限と是正履歴をつなぐ
空気環境測定は2月以内ごとの期限を前回日から管理し、各階・居室中央・床上75〜150cmの条件と現行基準を記録します。基準外は数値を変えず建物側へ報告し、対応と再確認まで同じ履歴で追ってください。
測定予定と結果、是正後の再確認を物件別の履歴へまとめませんか。ビルメンHUBは、物件マスタ、シフト、写真付き作業報告、PDFを一つの流れへつなぎます。


